2016年 6月 No.127

ホームドクター通信

当院からのお知らせ

梅雨の季節です。蒸し暑い日が続いています。

そろそろ熱中症に注意が必要です。
水分、塩分補給をお忘れなく。室内でも熱中症は起こります。
暑さを我慢せず、特に高齢者の方は遠慮せずエアコンを使うべきだと思っています。
若い人は涼しい恰好をして、水分・塩分を十分とり、エコな涼感グッズを使ってください。

舌下免疫療法

スギ花粉症・ダニアレルギーに対する舌下免疫療法をしています。スギ花粉に対する舌下免疫療法はスギ花粉のシーズンが終わったは6月から開始できます。
ダニは通年です。アレルゲン検査が必要ですから、ご希望の方はお申し出ください。
抗アレルギー薬は症状を抑えるだけで、根本治療にはなりません。
舌下免疫療法はスギ、ダニに対するアレルギーを根治することのできる治療法です。昨年のデータでも、スギ花粉に対しては舌下免疫療法を受けた方の8割が症状が改善したと報告されています。
花粉症、ダニアレルギーの方にはかなりお勧めの治療法かと思っています。

蚊に注意

今年は外出時、訪問診療時も虫よけのスプレーを持って出ています。
調べると、いろいろな虫よけがありますね。
私が今注目しているのは、紫外線線カット機能のついた虫よけ。スキンピースファミリーという名前で、スプレーとジェルを購入しました。
まだ使用していません。
虫が嫌うハーブの成分を配合し、薬剤を使っていないのが特徴だとか。今のスプレーが終了したら、使います。
虫が嫌うユーカリの成分を含ませた「ユーカノン 天然成分虫よけ入りウエットティシュ」というのも使って、調べてみます。
いずれも効果のほどは次回の院内報で報告します。
虫よけのリストバンドもあるみたいですが、子供向け。虫よけキャラリングという名前で色はピンクでした。
認知症サポーター色のオレンジにして、大人用があれば購入しようかな。
また、シャープからは薬剤不使用の蚊取り機能搭載の世界初の空気清浄機「蚊取空清」が発売されました。
蚊を紫外線ライトでおびき寄せ、吸い込んで粘着シートに捕獲する仕組みだそうです。面白そうですね。
ジカ熱、デング熱のこともあり、この夏は徹底的に蚊にさされないようにしてみたいと思います。
調査して、報告します。

乳癌

市川海老蔵さんの妻で、フリーアナウンサーの小林麻央さんが乳癌で闘病中とのニュースはかなりのインパクトをもって、報道されました。人間ドックで偶然発見されたときはかなり進行していたのだとか。
治療がうまく行くようお祈りしています。
乳癌、増えているようなので、女性の方は是非若いうちから乳がん検診を受けてください。
残念ながら、当院では乳癌検診はできません。
胸部の触診もしていません。検診のできる施設、乳癌のいい先生はよく知っているので、気になる方はご相談ください。

ISO9001

ISO9001の審査が6月7日と8日の二日間にわたって行われました。8日午前中の診療予約を制限させていただきました。ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。今回は手術・内視鏡の同意書の件で不備があり、不適合と判定されました。
近日中に同意書を改善することでクリアーできそうです。昨年、当院の診療手帳を取り上げていただき、Good point をいただきました。

今回は先月号の院内報でもご紹介した、診療手帳+お薬手帳が、昨年に引き続きGood point を頂きました。

診療手帳+お薬手帳は、今まで記載していた診察の所見・血液検査のデータに加えて薬局のおくすり手帳に貼る処方内容シールも貼るようにしたものです。
検査結果、診察の説明、薬のシールが一冊の手帳に記載されることになり、皆様にとっても有用な医療情報になるのでは、と思っています。
医療従事者にも有用な情報になっていると思います。他院受診時も是非当院の診療手帳(+おくすり手帳)を持参していただいて、担当医師だけでなく、看護師さん、薬剤師さんにもにみせていただきたいと思います。この取り組みをもっと広めては、とISO審査員の方に言われたので、またどのようにするか考えます。

ホームページが新しくなりました。

当院のホームページhttp://www.majima-clinic.jp、ヤフーやグーグルで真嶋医院と検索すればでてきます)がリニューアルされました。今風な感じになっています。

是非一度ご覧ください。

夏季休暇

8月15日から18日まで夏季休暇を頂きます。ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いします。

パーキンソン病

米国のボクサー、モハメド・アリ氏が2016年6月3日にお亡くなりになりました。
74歳でした。アントニオ猪木氏との格闘技世界一決定戦が私には印象に残っています。
かなり強いヘビー級のチャンピオンでした。
引退後はパーキンソン病を患い、あまり世間に出なくなったのですが、1996年アトランタ五輪で開会式の聖火の最終点火者として姿を現しました。パーキンソン病のため小刻みに震える手でトーチを握り、聖火台にともしました。感動的な光景でした。
今回はパーキンソン病を取り上げます。

パーキンソン病は、脳が出す運動の指令がうまく伝わらず、スムーズに動けなくなる病気です。1817年、ジェームズ・パーキンソン医師が初めて報告しました。
日本人の約1000人に1人がこの病気にかかると考えられています。
50~60歳代で発症することが多く、高齢者に多い病気ですが、若い人でも発症することがあります。
超高齢社会になり、ますます増える傾向にあります。
パーキンソン病の原因は中脳の黒質という場所にある神経細胞が変性したり無くなったりして、黒質で作られる「ドパミン」という神経伝達物質が減少してしまうことにあります。
何故黒質の神経細胞が変性してしまうかは、現在研究中で、まだはっきりしていません。

パーキンソン病の主な症状は「手足がふるえる(振戦)」「筋肉がこわばる(筋固縮)」「動きが遅い(無動)」「バランスがとりづらい(姿勢反射障害)」の4つです。

その他にも、トイレが近くなったり、よく眠れない、便秘などの症状もみられます。

振戦は最初に気づくことが多い症状で、体の左右のどちらか片側でより強い症状があらわれます。

このふるえは、何もしていないときに目立ち(安静時振戦)、何かしようとすると止まるので、患者さんご自身はあまり不便を感じません。
何かしようとするときに震えるのは(字を書くとき、何かを取ろうとするときなど)は企図振戦と呼ばれ、本態性振戦の方に多くみられます。

筋固縮は筋肉がこわばる症状です。
これは、パーキンソン病の診断において重要なポイントになります。
医師が患者さんの手首を持ってゆっくりと前後に動かすと、歯車のようなカクカクとした抵抗感があります。
病気が進むと、動作がぎこちなくなったり、歩くときに腕の振りが悪く足が引きずり気味になったりします。

無動は動きが遅くなったり、少なくなったりする症状です。
速く歩けない、寝返りが打てないなどの症状があります。
また、顔の動きが少なくなるために、表情が乏しくなります。

姿勢反射障害はバランスがとりづらくなる症状です。バランスをとろうとして、膝をまげて、少し前かがみになった姿勢になります。
転びやすくなったり、歩いているうちに前のめりで小走りになってしまうこともあります。

これらの症状は、すべての患者さんに必ずみられるわけではなく、病気の程度によっても変わってきます。

パーキンソン病の病期はヤール分類がよく使われます。

初期は片側から症状が始まることが多いです。

 

パーキンソン病


パーキンソン病によく似た症状が出る病気があります。
神経難病、薬の副作用、脳血管障害などに起こります。
パーキンソン病とは原因も治療法も違うため、パーキンソン病と区別して「パーキンソン症候群(パーキンソニズム)」と呼んでいます。

パーキンソン病の症状を見た場合、パーキンソン病なのか、それ以外の病気によるパーキンソン症候群なのかを区別する必要があります。
血液検査、脳CT,脳MRI、新しい検査でダットスキャン(まだあまり普及していません)、場合により髄液検査が行われます。

パーキンソン病の治療

薬物療法が基本となります。
中心はLドパ製剤とドパミン受容体作動薬です。
この二つに加えて、ドパミンを増やすまたは減らさないようにする薬などが使われます。
複雑ですが、自分の知識の整理のために書いてみます。

  1. L-ドパ製剤:足りなくなったドパミンを補うための薬で、パーキンソン病治療の中心になります。血液と脳の間には関所(血液脳関門)があり、ドパミンはこの関所を通ることができません。そのため、この関所を通ることができ、脳の中でドパミンになるL-ドパという薬を使います。L-ドパ単味剤より、血中濃度を高め、脳内以降をよくする薬を配合した合剤のほうがよく使われます(ネオドバストン、メネシット、イーシードパール、マドパー、スタレボなど)。
  2. ドパミンアゴニスト(ドパミン受容体刺激薬)は、ドパミンそのものではありませんが、ドパミンを受け取る次の神経細胞の受容体の働きを活発にしてドパミン伝達を促進します。L-ドパ製剤と比べて効き始めるまでに少し時間がかかりますが、効果が安定しています。ドパミンアゴニストを一緒に飲むことで、L-ドパ製剤を長期間飲み続けると起こる副作用を抑えたり遅らせたりすることが期待できます。商品名、ペルマックス、カバサール、パーロデル、ビ・シフロール、レキップなどがあります。
  3. ドパミン放出促進薬はドパミン神経細胞からドパミンが出るのを助ける薬です。アマンタジン、商品名シンメトレルもともとはインフルエンザウイルスの治療薬として使われていました。
  4. 抗コリン薬は古くから使われているパーキンソン病治療薬で、ドパミンが減ってしまったことにより過剰になっているアセチルコリンの働きを抑えるための薬です。振戦に有効といわれています。商品名、アーテン、パーキン、アキネトンなど
  5. MAO-B阻害薬:脳の中のドパミンが分解されるのを抑えて長く効くようにする薬です。商品名エフピー
  6. COMT阻害薬L-ドパを分解するCOMTという酵素の働きを阻害し、脳に入るL-ドパの量を増やし、L-ドパ製剤の効いている時間を延ばす薬です。商品名コムタン。
  7. ノルアドレナリン補充薬:パーキンソン病ではドパミンだけでなく、ノルアドレナリンという神経伝達物質も減少していて、立ちくらみなどの原因となります。ノルアドレナリン補充薬は脳の中でノルアドレナリンに変わるお薬で、立ちくらみやすくみ足などの症状を改善します。商品名ドプス。
  8. L-ドパ作用増強薬:L-ドパ製剤と一緒にのむことで脳の中のドパミンの量を増やし、L-ドパ製剤の効果を強めたり、効いている時間を延ばしたりする薬です。 もともとはてんかんの治療薬として使われていました。商品名トレリーフ

L-ドパ製剤を中心に、いろいろな薬を組み合わせて使います。

外科的治療

薬が有効でない場合に適用されます。

深部脳電気刺激療法がよく行われるようになっています。
目的となる脳の中に電極を埋め込み、パーキンソン病の症状にかかわる神経を刺激する治療法です。
脳内の電極とつながる心臓のペースメーカーのような器械を前胸部皮下に埋め込みます。
刺激条件(刺激の方法や強さ)は調整用の装置で調整することができます。
刺激条件は、症状にあわせて調整します。
薬物療法とうまく組み合わせて治療を行うことで、症状のより良い改善が得られます。
治療する施設は大学病院とか大きな総合病院です。
有効例がよく報告されています。

以上、パーキンソン病につき、概説しました。
手が震える、歩くとき最初の一歩が出にくい、関節が硬くなっている、などの症状があるようでしたら、ご相談ください。

かかりつけ患者さん募集中

最近の医療は病気の診療だけではなく、病気の予防、早期発見、初期治療に重点が置かれています。

そのためには、「かかりつけ医」として日常的に気軽に診療や健康診断を受けることができる医院を目指すことが大切だと考えます。

当院では「かかりつけ患者」として下記に同意していただける方を募集しています。興味がございましたらスタッフまでお尋ねください。

何をしてくれるの?

かかりつけ患者になるには?

慢性疾患をお持ちで、月に一度は当院に定期的に受診される方のうち、下記の項目に同意していただける方です。

以上を納得され、書面にサインしていただける方を当院のかかりつけ患者として登録させていただきます。

現在のところ、何かあれば当院に受診される方、住民検診などを当院で受ける方はかかりつけ患者の範疇にはいれていません。風邪をひいたら、今回はあそこの診療所、次回は○○病院という方もご遠慮いただいています。

かかりつけ患者になって総合的に管理してほしいと思われた方がいらっしゃいましたらお気軽にスタッフまでお声をおかけ下さい。

住民健診

特定健診実施しています。

今年度特定健診が始まっています。
今年も無料です。

忠岡町在住の対象者の方、是非受けてください。
残念ながら、泉大津市、岸和田市在住の方は当院では特定健診を受けることができません。
行政の努力に期待したいですね。

今年からABC検診が始まっています。
ヘリコバクターピロリIgG 抗体(Hp抗体)検査でピロリ菌感染の有無を、ペプシノゲン(PG)検査で胃粘膜萎縮度を調べ、その結果を組み合わせて胃がんのリスクを評価する検診です。
500円の自己負担があります。
また、65歳以上の方の肺炎球菌ワクチンの助成もありますので、また受付にお申し出ください。