2017年 8月 No.141

ホームドクター通信

当院からのお知らせ

夏も終わりに近づいています。
残暑お見舞い申し上げます。まだ暑い日が続いています。
熱中症には十分にご注意を。
熱中症は、職場や学校、スポーツ現場での発生だけではなく、夜間や屋内も含め、子供から高齢者まで幅広い年代層で発生しています。
熱中症は、一人ひとりが正しい知識を持つことで、防ぐことができます。
水分、塩分補給をお忘れなく。
毎回書いていますが、 暑さを我慢せず、特に高齢者の方は遠慮せずエアコン を使用しましょう。
若い人は涼しい恰好をして、水分・ 塩分を十分とり、エコな涼感グッズを使ってください。

埼玉県の総菜店で販売されたポテトサラダを食べた14人から、腸管出血性大腸菌 O157が検出され、溶血性尿毒症症候群という合併症で意識不明の重体になった子どももいました(回復したそうで、よかったです)。

大腸菌のほとんどは無害ですが、なかには下痢を起こすものがあり「病原性大腸菌」と呼ばれています。
病原性大腸菌には4種あり、うち腸管出血性大腸菌(ベロ毒素産生性大腸菌)はベロ毒素というものを出して、溶血性尿毒症症候群(HUS)や脳症(けいれんや意識障害)を起こします。
O157は、この腸管出血性大腸菌の代表的な細菌です。
O157は家畜などの糞便中に時々見られ、汚染された水、食物を介して、人の口に入りO157感染症・出血性腸炎を起こします。

国立感染症研究所のまとめでは、8月13日までの1週間に全国で228人が感染。
今年1月からの感染者は計1696人に上っているとのことです。
感染から数日で、激しい腹痛や水のような下痢、血便などの症状が出ます。
程度はそれぞれ違い、菌を持っていても症状が出ない人もいます。
腎機能が低下する溶血性尿毒症症候群や急性脳症などの合併症を発症することもあります。

★感染を防ぐには★

  1. O157、牛の腸などにいる菌なので、生肉は避け、75度で1分間以上加熱する。
  2. 食品は冷蔵庫で保存し、なるべく早く食べる。
  3. 生野菜もよく洗うよう徹底する。
  4. 調理器具も、生肉や生魚に使用したら洗剤でよく洗う。

などが大事です。

少量の菌でも感染しやすく、感染者が触れたドアノブなどを介して感染する可能性もあるため、普段から手洗いを心がける必要があります。

しかし、今回の感染では、どこからO157が混入したのかまだ不明とのことです。

血液1滴、がん13種早期発見…3年めど事業化

国立がん研究センター(東京都)などは、血液1滴で乳がんなど13種類のがんを早期発見する新しい検査法を開発し、臨床研究を始めたそうです。
早ければ3年以内に国に事業化の申請を行うとのこと。
一度に複数の種類のがんを早期発見できる検査法はこれまでなく、人間ドックなどに導入されれば、がんによる死亡を減らせる可能性があります。
検査法では、細胞から血液中に分泌される、遺伝子の働きを調節する微小物質「マイクロRNA」を活用。
がん細胞と正常な細胞ではマイクロRNAの種類が異なり、一定期間分解されないという性質を利用しています。

同センターや検査技術を持つ東レなどは、がん患者ら約4万人の保存血液から、乳房や肺、胃、大腸、食道、肝臓、 膵臓すいぞう など13種類のがんで、それぞれ固有のマイクロRNAを特定しました。
血液1滴で、がんの「病期(ステージ)」が比較的早い「1期」を含め、すべてのがんで95%以上の確率で診断でき、乳がんは97%でした。
ただ、保存血液ではマイクロRNAが変質している可能性もあります。
臨床研究では、患者や健康な人約3000人から提供してもらった新しい血液を使うとのこと。
九州大学の尿の線虫を用いた癌検診も注目されています。
今回のマイクロRNAと組み合わせると正診率が上がると思われ期待します。

認知症の予防

 認知症の予防 

今月は別の記事を用意していたのですが、8月27日日曜日にテクスピアで行われた認知症フォーラムinいずみおおつ ~認知症になりにくいまち泉大津~ の講演が面白かったので、忘れないうちに紹介することにしました。
演者だった、川端医院・川端徹先生と日隈一行氏には了承を得ていますのでほぼそのまま紹介します。

川端先生の講演は認知症予防と有酸素運動でした。
認知症で一番多いのはアルツハイマー型認知症で約50%、次に多いのが脳梗塞や脳出血の後遺症として起こる認知症で、脳血管性認知症と幻肢幻覚がよく起こるレビー小体型認知症がいずれも約20%とされています。

我が国では、認知症患者は65歳以上で、400万人いると推定されています。
2012年の65歳以上の高齢者は約3079万人ですので、7人に1人が認知症ということになります。
認知症の前段階(軽度認知障害:MCI)の方を含めると約800万人になるといわれています。
つまり、65歳以上の4人に一人が認知症かその予備軍となります。
団塊の世代の人たちが後期高齢者になる2025年には認知症患者は700万人を超えるとの推計値が発表されています。
つまり、65歳以上の5人に一人が認知症ということになります。
予備軍を加えると、軽く1000万人を超えるでしょうね。
65歳以上の高齢者の2-3人に一人は認知症またはその予備軍、という時代が来そうです。

認知症の前段階・軽度認知障害MCI(Mild CognitiveImpairment) とは、認知症ではありませんが、物忘れなどの認知症と似た症状があること。
物忘れ以外には日常生活上の大きな支障はない。
正常と認知症の中間的な状態を指します。

MCIの人のうち、一年間に10-15%が認知症になり、4年間に半数以上が認知症になると言われてきました。
ところが、最近国立長寿医療研究センターの研究で、軽度認知障害(MCI)の高齢住民を4年間追跡したところ、14%は認知症に進んだ一方、46%は元に戻ったとの結果が得られました。
このグループは認知症予防の対策をしていました。
MCI,認知症の早期発見、早期進行予防が大切です。

認知症の予防で一番重要なのは、生活習慣を改善することです。
高血圧、糖尿病、脂質異常症など生活習慣病の人は認知症になりやすことがわかっています。

生活習慣を改善するための項目を列挙します。
食生活(糖質・カロリー制限、減塩、DHA・EPA、ビタミンB,C、ポリフェノール摂取など)の改善、禁煙、有酸素運動、良質な睡眠、対人摂食、知的行動習慣(文章を書く、読む、ゲームをする、博物館に行くなど)です。

有酸素運動とは、脂肪や糖質を酸素によってエネルギーに変えながら行う規則正しい繰り返しのある比較的軽い運殿のことです。
ジョギング、ウォーキング、水泳、エアロビクスなどが有酸素運動にあたります。
まず手始めはウォーキングです。
大股、やや速足で、一日30分以上、週3回から始めてください。

NHKの認知症予防運動プログラムでは、運動+脳を使う、2つのことを同時に行うのがいいのだそうです。ウォーキングしながら、100から3をひいていく計算をするとか、相手がいるのであれば、尻取りをしながら歩くなどです。

認知症にならないために重要なことは、早期発見と早期からの予防、対策です。と結ばれました。

次に登壇されたのが、フィットネスサロン re-fulfilのフィジカル&メンタルコーチの日隈先生でした。
脳の活性化をさせるシナプソロジーというエクササイズを紹介していただきました。
脳を活性化させること。
脳も使わないとどんどん衰えます。刺激すると、脳の神経のネットワークのシナプス(神経細胞同士が向き合っているところ)が増え脳が活性化します。
脳の活性化のためには、視覚や聴覚などの五感を刺激すること。楽しんですること。身体を動かすことが大事です。
いろんなことを組み合わせて指示されるので、脳が混乱しますが、出来なくてもいいのです。
指示が出ると、うっと考え、脳が新しい刺激を与えられ対応しようと混乱することで脳が活性化します。
具体的にしたことをあげてみます。

  1. 偶数・奇数:二人向き合って、偶数の人と奇数の人を決める。
    インストラクターが数字を言うので、それが偶数だったら偶数担当の人が両手を前に出す。
    奇数の人は手をよける。
  2. 相違じゃんけん:あとだしじゃんけん。
    インストラクターがグーチョキパーのいずれかを出すので、それに勝つようにグーチョキパーのいずれかをだす。
    次にスパイスアップ(刺激のバージョンアップ)で負けるように。
    最後に右手で勝って、左手で負けるように出す。
  3. グーチョキパーのポーズが提示されるので、それを覚えます。
    インストラクターがじゃんけんのポーズをすると、それに勝つようにポーズをとります。
    次に負けるようにポーズをとります。
  4. 計算じゃんけん:グーが 10、チョキが 20、パーが 50として、インストラクターと自分が出した数を計算して、答えを口に出す。
    次に 3ケタにする。次に引き算。いずれも声に出す。
  5. 認知機能刺激:自分が中心で後ろに時計があると仮定。何時、と言われると手を使って、時間をさす。
    例えば 12時だと真上。9時だと左手 90度、という具合に。次に何時何分を表現。
    先に何時をさして、次に何分を腕で指します。
    スパイスアップで、何時何分の何分前、それを聞いたら、何時、で一度時間を指して、何分、でもう一度時計を指す。声に出しながら。
    たとえば 10時 20分の 30分後、とインストラクターが指示すると、答えは 10時 50分なので、10時と言って、左斜め上方を指し、もう一度左手で同じ方向を指す、といった具合です。
    結構混乱します。
  6. 基本の記憶 4動作:1の動作、両手を頭にのせる、2の動作:両手を胸の前で交差、3の動作両手を腰に、4両手を交差して膝にあてる。
    最初はインストラクターが1-4の数字を言ったら、そのポーズをする。
    次にスパイスアップ、1-4の数字を言われたら、そのポーズをとりつつ、その文字数の言葉を言う。
    例えば、1なら、1のポーズをしながら、一文字の言葉を言う。
    歯とか毛とか手とかですがとっさに言われるとなかなか出てこないものです。
  7. 3で止まる。ランニング動作をして、3歩目で止まる。最初は 1-2-3で止まるの繰り返し、次に 1-2-3-4-5-6、、、と続けて3の倍数で止まる。
    さらにあ *い -う -え -お、、で 3つごとに止まる、次 1-2-あ、3-4-い、5-6-う、、と い う 組 み 合わせで止まる。
    最後あ -い -1.う -え -2、お -か -3、、、という風な組み合わせで3で止まる。これも混乱します。
    ランニング動作は難しい人は椅子に座ってでもいいし、元気な人は飛び跳ねてもいいです。
  8. 二人で交互にグーチョキパー。二人組になって、1-2-3-1-2-3でグーチョキパーを出していく。
    次のスパイスアップでは 1-2-3-4-5-6-、、と続けていき、交互にグーチョキパーを出します。
  9. 最後は約 300名の参加者全員が輪になって、1:右隣の人の肩をたたく、2:左の人の肩をたたく、3、両方の人の肩をたたく、4:両隣の人とハイタッチで終了しました。

文章で書くと分かりにくいかな。実際にやってもらったほうがいいかも。
このエクササイズはアルザにもあるスポーツクラブのルネッサンスの開発部が大学の先生の協力を得て開発したプログラムとのこと。
私はルネッサンスには行っていないので残念ですが、このエクササイズは認知症予防にいいと確信しました。DVDと本購入しました。
私も勉強してみます。
またご希望があれば、エクササイズのDVD、待合で流してもいいです。
待ち時間にシナプソロジーエクササイズなかなかいいと思います。
あくまで元気に通院されている高齢者向けということで。
高齢者に限らず、子供、アスリート、ビジネスマンにも有効だそうです。

 

かかりつけ患者さん募集中

最近の医療は病気の診療だけではなく、病気の予防、早期発見、初期治療に重点が置かれています。

そのためには、「かかりつけ医」として日常的に気軽に診療や健康診断を受けることができる医院を目指すことが大切だと考えます。

当院では「かかりつけ患者」として下記に同意していただける方を募集しています。興味がございましたらスタッフまでお尋ねください。

何をしてくれるの?

かかりつけ患者になるには?

慢性疾患をお持ちで、月に一度は当院に定期的に受診される方のうち、下記の項目に同意していただける方です。

以上を納得され、書面にサインしていただける方を当院のかかりつけ患者として登録させていただきます。

現在のところ、何かあれば当院に受診される方、住民検診などを当院で受ける方はかかりつけ患者の範疇にはいれていません。風邪をひいたら、今回はあそこの診療所、次回は○○病院という方もご遠慮いただいています。

かかりつけ患者になって総合的に管理してほしいと思われた方がいらっしゃいましたらお気軽にスタッフまでお声をおかけ下さい。

 夏期休暇

8月 15 日から 18 日まで夏季休暇を頂いて、生まれ故郷の三重県熊野市での花火を見に行ってきました。
昨年は手術で行けず、一昨年は雨で延期だったため見ることができなかったので、3 年ぶりとなりました。

前日結構強い雨が降り、当日の朝も雨が降り、天気が心配されましたが、午前7時には早々と花火開催宣言がされていました。予報通り夜には晴れ、無事開催されました。世界遺産鬼ヶ城と七里御浜を舞台にした三尺玉海上自爆や鬼ヶ城大仕掛けなど「音と光の饗宴」を堪能できました。

来年も行きたいと思ってますが、娘がついてくるかどうか、微妙なところです。