2017年 10月 No.143

ホームドクター通信

当院からのお知らせ

すっかり秋めいてきました。朝夜はもう寒いです。

今月は二週連続にわたり日曜日に、台風接近があり、22日の台風は結構被害がでたようです。
南海本線のレールが歪んだというニュースもありましたし。まだ29日現在復旧していないようです。
台風一過でまた秋が深まりそうですね。
皆様どうか体調管理のほどよろしくお願い致します。
インフルエンザ予防接種をしています。
先月も書きましたが、今年度は、ワクチン製造が遅れ、少し製造量も少なめになっています。
また、ワクチンの供給が少なめになっているそうです。
予約していても、接種できない可能性があります。
ご迷惑をおかけするかもしれませんが、ご了承ください。13歳以上の方は一回接種でお願いします。
忠岡町在住の65歳以上の方は1000円、一般の方、3000円です。
インフルエンザワクチンは打てば必ず発症がおさえられるというワクチンではありません。その役割はかかりにくくすることと、かかっても免疫があるために重症化しないことです。 ワクチン接種により死亡者や重症者を減らすことが期待されています。
ワクチンの予防効果持続期間はおよそ5カ月と推定されています。

iPS細胞関連

いつも注目しているiPS細胞のニュースです。
10月8日・9日に日本臨床内科医学会という会がホテルニューオータニで開催されました。
参加人数が1600人という大きな学会でした。
学会の会長が、私の大阪府立病院研修医時代の同期でしたので、参加してきました。
8日に、iPS細胞の山中先生、iPS細胞の最初の臨床研究をされた高橋政代先生の講演がありました。
臨床研究にこぎ着けるまでの経緯をお伺いして、時代を動かす人のパワーを感じました。
国を相手に新しいことを認可してもらうのは本当に大変なんですね。
でも、今は日本のルールができて、新しい治験が通りやすい状況になったようです。
日本主導で研究を進めていってもらいたいです。
癌も神経難病もiPS細胞による治療が本当にすぐそこまで来ています。患者の皆様にいいお知らせがあるように、祈っています。

肥満の原因酵素

脳の摂食中枢で働き、肥満の原因となる酵素を特定したと、基礎生物学研究所(愛知県岡崎市)などの研究チームが発表しました。
体内では、脂肪細胞から分泌されるレプチンというホルモンが摂食中枢に作用して食べる量を調整していますが、肥満の人では必ずしも食べる量が抑えられていません。
レプチンが働きにくくなっているためですが、その仕組みは分かっていませんでした。
今回、研究チームは摂食中枢にある神経細胞の表面で働き、さまざまな情報伝達に関わる酵素に着目。
PTPRJという酵素の一種がレプチンの働きを抑えていることを発見しました。
この酵素は血糖値を下げるインスリンの働きも阻害しているといい、「この酵素の働きを抑制する薬が開発できれば、肥満と糖尿病を改善できる」と研究チームは言っています。
これは楽しみですね。早く開発して頂きたいです。
厚生労働省は、100歳以上の高齢者が全国に6万7824人いると発表しました。
前年から2132人増え、47年連続の増加とのこと。
100歳以上の人のことセンテナリアン(centenarian)といいます。
日本語では「百寿者」とも表現します。
センテナリアンの調査をしている慶応の新井先生によると、共通していえるのは、センテナリアンには糖尿病と動脈硬化が少ないことだそうです。
また、防御ホルモンのアディポネクチンが多く分泌されていること。そして、食べる意欲が旺盛でよく食べ、興味を持ったことに対して前向きで熱心に取り組むことなどが分かってきました。
アディポネクチンは正常な小型の脂肪細胞からは活発に分泌されますが、肥満して肥大化した脂肪細胞からは出なくなります。よって、肥満(特に内臓肥満)、糖尿病、高血圧や冠動脈疾患などにおいて血中濃度が低下します。アディポネクチンをよく分泌させるため、糖尿・メタボにならないよう気をつける必要がありますね。アディポネクチンの血中濃度は測れますが、残念ながら保険適用になっていません。

 年末年始休み 

12月28日金曜日午後から1月4日水曜日まで、年末年始休暇を頂きます。
ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いします。 当方でも、薬が切れないよう注意しますが、皆様もご注意ください。

浮腫

 浮腫 

朝起きて鏡を見ると顔が腫れぼったい、夕方になると足が太くなってで靴が窮屈になる、足を指でおさえてみるとへこんでもどらない。
これはむくんでいる状態で、医学用語では浮腫といいます。
足が太くなるといっても、浮腫と肥満ではその成り立ちは全く違います。
肥満は脂肪分が増えることです。
肥満の場合は足を押さえてみてもこのようなへこみはできません。
浮腫とは、細胞と細胞の間の水 (組織間液) が異常に増加した状態を言います。
人間の体の約60%が水分です。
50Kgの人では、30Kg (30リットル) は水分です。
さらにこの30リットルの2/3、すなわち20リットルは細胞の中に存在し (細胞内液) 、残りの1/3、すなわち10リットルが細胞の外に存在しています (細胞外液) 。また細胞外液の内、1/4 (体重の約5%) は血漿水として血管の中を流れ、残りの3/4 (体重の15%) は血管の外で、細胞と細胞の間に存在しています (組織間液) 。
浮腫はこの組織間液が増加した状態です。
毛細血管の血圧が上昇する場合、血管の中の蛋白質の濃度が低下する場合、毛細血管が蛋白質や水分を通しやすくなった場合などに浮腫が生じます。

健康な人に浮腫はおこりません。
心臓から出た大動脈はだんだん枝別れし、最後は毛細血管と呼ばれる細い血管となって体中の細胞に酸素や栄養素を送り続けています。
この毛細血管にもやはり血圧がかかっていますから (静水圧) 、血管の中の水分が外ににじみ出ようとします。
しかし、これとは反対に血管の中にはたくさんの蛋白質があって、浸透圧の作用によって水分を血管の中にとどめようと働いています。
健康な場合には、この両方の力が等しいため、浮腫は生じないのです。
逆にこのバランスが崩れると浮腫が現れることになります。

では、浮腫の区別です。
まず、浮腫が、全身性か局所性か、両側性か片側性かをみます。局所性・片側性の場合、静脈・リンパ管の閉塞・通過障害のことが多いです。静脈血栓、子宮がんなどの骨盤内臓器による圧迫、子宮がん治療後・放射線治療後などで、リンパの鬱帯が起こる場合が考えられます。
また、蜂窩織炎などの局所にばい菌が入ったためにおこる炎症による片側性の浮腫もあります。
ばい菌が入った場合は、疼痛発赤が伴うことが多いです。
足が浮腫んでいるとして、押せば引っ込む圧痕性浮腫と押しても引っ込まない非痕性浮腫があります。
非圧痕性浮腫の原因としては、甲状腺の異常がよく知られています。
この病態での浮腫は組織間液の増加によるものではなく、アルブミンとムコ多糖類の結合物が間質に貯留した状態であるため、性質が異なると考えられています。
甲状腺機能亢進症でも低下症でも浮腫は出現します。
先ほども書きましたが、肥満による下腿膨満も押しても引っ込みません。

上記が無いというときは、浮腫の原因は、細胞外液が増加する、薬物の副作用、血漿膠質圧圧低下、機序不明に分かれます。
細胞外液が増加して、血管内から組織間液に水分が移行する状態は主に腎不全、心不全、輸液過剰の状態が考えられます。
血管内に水分が過剰になって、尿に出ない、という状況です。
薬物では、消炎鎮痛薬、ステロイド、降圧剤 (カルシウム拮抗剤など) 、ホルモン剤で機序不明のことが多いですが、浮腫が起こることがあります。
血清蛋白 (主にアルブミン) が低下すると、詳しい機序は省略しますが、血管内に水分をとどめておくことができなくなるため、血管外に水分が漏出します。
肝臓が悪くてアルブミンが低くなることもあります。

浮腫を診た場合、病歴を聞きます。
いつからか、夕方に強くなるのか、アルコールを摂りすぎていないか、息苦しさは無いか、塩分摂取量は?、月経との関連など。
遺伝性血管性浮腫という病態もあるので、家族歴を聞く必要もあります。
胸部レントゲン、心電図検査は必須です。
甲状腺機能検査を含めた一般血液検査をします。
心不全、腎不全が疑われる場合は、利尿剤などを処方します。
呼吸困難がある、酸素飽和度が低い場合は病院での治療が必要になることがあります。
片側の浮腫の場合も病院での治療になることが多いです。
緊急性の無いときは、血液検査の結果をみて、治療を考えます。むくみの分類と特徴

治療ですが、血液検査・胸部レントゲン、心電図で心不全、腎不全、肝機能障害がわかったときは、病態に応じて、利尿剤、強心剤などを処方します。
緊急性のある場合は病院での入院治療になります。
心不全、腎不全、肝不全、低アルブミン血症、薬剤に該当するものが無い場合、特発性浮腫として扱います。
特発性浮腫

浮腫を生じる器質性疾患を認めず、全身性、起立性の浮腫がみられる病態です。
若年から中年女性に多く、昼間の尿量の減少、夜間尿の増加、朝夕の著しい体重の変動がみられます。
診断基準がいくつかありますが、ポイントは朝に比べて、夜の体重が 1.4kg以上増えていることです。
ダイエットや、下剤、利尿剤の服用が原因になることがあります。
ストレスや神経質な性格が関係していることもあります。
レニン・アンジオテンシン系が関与している可能性があります。
治療は、塩分制限、弾性ストッキング着用、長時間の立位や座位を避ける、筋トレのような運動するなどです。
レニン・アンジオテンシン系の異常が考えられるため、アルダクトンという薬が処方されることがあります。
漢方薬を処方することもあります。
足のむくみ、顔のむくみなどありましたら、原因の究明・治療が必要ですので、医療機関受診してください。

受診が必要な症状

かかりつけ患者さん募集中

最近の医療は病気の診療だけではなく、病気の予防、早期発見、初期治療に重点が置かれています。

そのためには、「かかりつけ医」として日常的に気軽に診療や健康診断を受けることができる医院を目指すことが大切だと考えます。

当院では「かかりつけ患者」として下記に同意していただける方を募集しています。興味がございましたらスタッフまでお尋ねください。

何をしてくれるの?

かかりつけ患者になるには?

慢性疾患をお持ちで、月に一度は当院に定期的に受診される方のうち、下記の項目に同意していただける方です。

以上を納得され、書面にサインしていただける方を当院のかかりつけ患者として登録させていただきます。

現在のところ、何かあれば当院に受診される方、住民検診などを当院で受ける方はかかりつけ患者の範疇にはいれていません。風邪をひいたら、今回はあそこの診療所、次回は○○病院という方もご遠慮いただいています。

かかりつけ患者になって総合的に管理してほしいと思われた方がいらっしゃいましたらお気軽にスタッフまでお声をおかけ下さい。

編集後記

院内報、月の最初に発行するよう目指してはいるのですが、今月は特に忙しいことは無かったのですが、院内報発行に気が付いたのが、10月27日。
また月末発行となってしまいました。

私が診療所を続ける上で、月一回の院内報、ISO9001、診察時の診療手帳は続けていこうと思っています。
次回は 11月14日の発行を目指します。
その後は 12月 5日ですね。
来年 1月から月初め発行をします。

しかし、記録を見ていると、昨年10月も同じようなことを書いていました。
進歩していません。