ホームドクター通信
2009年3月 No.40

◆お知らせ

3月になり、暖かい日が多くなってきました。桜の季節ももうすぐです。

花粉の時期です。今年は昨年と比べ多いので、昨年は症状が無かったのに今年はひどい、と言う方が多く見受けられます。アレルギーのある方は花粉の回避、特に外出時にはマスク・メガネをするようにしてください。また家の中に花粉を持ち込まないようにすることも大事です。

当院は耳鼻科的な検査はできませんが、2009年度版の鼻アレルギー診療ガイドラインに準じ、問診で重症度を判定し、第二世代抗ヒスタミン薬、鼻噴霧用ステロイド剤、点眼薬を中心に薬を処方しています。ちなみに鼻炎の重症判定はくしゃみ発作の回数と鼻をかむ回数、鼻閉の場合は口呼吸の頻度で判定します。
詳しくは診察室でお問い合わせください。


暖かさに伴いインフルエンザは下火になってきました。
怖れられていた新型インフルエンザのパンデミック(世界的大流行)は今年はなかったようです(まだ油断はできませんが)。是非、新型に有効なインフルエンザワクチンの早期登場を望みます。


1月中アンケートにご協力いただき有り難うございました。現在解析中です。どのように解釈していいのか悩ましいです。コンサルタントにも相談しつつ、3月末には判定して、改善すべきところは改善するように努力します。次回の院内報で結果についてはお知らせする予定です。また当院を利用される患者さんにアンケート以外でも是非改善提案をしていただきたいと考えています。何かお気づきのことがあれば(どんなことでも結構です)、スタッフまでお申し出ください。また改善提案の用紙もおいていますので、お気軽に書いてテレビの下のポストに入れてください。よろしくお願いします。

今回は診察室で杖の置き場所に困る、という声にお応えして、つえつえほーという杖ホルダーを診察室の机に設置しました。なかなか好評のようです。



特定健診

今年度の健診は3月末で一旦終了となります。同じ内容の健診が6月からスタートする予定で、4月・5月は健診がありません。今年度中の健診をご希望の方はお早めに。





◆アネトス通信

時折暖かい風を感じるこの頃です。
アネトス通信ではスタッフ紹介から施設内での様子までを紹介いたしましたので、今回からは、看護や介護について紹介したいと思います。


口腔ケアとは、『介護の鏡』といわれ、今ではよく耳にされると思いますが、口から食事を食べなかったら口腔ケアが要らないと思われたり、身体を拭いたり、入浴をしたりしてきれいにするのに、口の中は忘れがちなことが多かったようです。

口腔ケアは口腔内の清掃、歯石除去、義歯の手入れ、口腔内の疾病の予防、機能回復、健康の保持増進、QOLの向上などが言われていましたが、最近では咀嚼、嚥下、摂食訓練まで含まれる場合もあります。目的は、

  1.誤嚥性肺炎の予防や風邪などの感染症の予防
  2.口腔疾患の予防や異常の早期発見
  3.QOLの向上、です。

ケアはまず、口の中の清掃(歯垢の除去)です。歯のある方、ない方、義歯の方。意識のある方や麻痺のある方、それぞれやり方は違いますが、口の中の細菌を減少させることです。

道具も色々種類があり、歯ブラシ、歯間ブラシ、スワブ、舌ブラシ、保湿ゼリーなど歯科医師や歯科衛生士から指導を受けることが望ましいです。

アネトスでは、利用者の方全員に口腔ケアを
食後の習慣としてすすめています。

寝たきりの方はベッドで、洗面所まで移動できる方は洗面所で、
時間がかかっても自分でできるよう手助けをし、その方にあった
方法で行い、美味しいものがいつまでも美味しく食べることが
できるように支援しています。









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◆特集:めまいについて


めまいは目が回るようなくらくらとした感覚の総称で、グルグル目が回る『回転性めまい』、フワフワふらつく『浮動性めまい』、クラッとする『立ちくらみのようなめまい』の3つに大きく分けられます。




回転性めまいは自分自身がグルグル回っている、周囲がグルグル回っているように見える、
天井が回ると表現されます。急に発症し、吐き気、嘔吐、難聴などの症状を伴うことがあり、
多くは耳の異常でおこります。

耳は音を聞く働きのほかに、からだのバランスを保つ働きもあります。このため耳に異常が生じると、
主に回転性めまいが起こります。また、異常が生じている場所によって、耳鳴りや吐き気・嘔吐などの
症状があらわれます。

回転性めまいで一番多いのは良性発作性頭位性めまいで、内耳の前庭という場所にある耳石がはがれ、からだのバランスを保つ器官である三半規管 に入り込んでしまうために起こります。

一般の方にも有名なのがメニエール病という病態で、内耳を満たしている液体である内リンパ液が増え過ぎ、内耳がむくみ、内リンパ水腫という状態になるため起こります。

めまいのほか、難聴(とくに低音の聞こえが悪い)や耳鳴り、耳がつまった感じなどの症状があらわれることがあります。
そのほか、前庭神経炎、外リンパ瘻、突発性難聴、中耳炎などの耳の病気でもめまいが起こります。






























浮動性めまいはからだがフワフワした感じでふらつく・まっすぐ歩けない ・姿勢を保つのが難しい
などの症状があります。さらに頭痛・顔面や手足のしびれ・運動まひなどなどの神経に関係する
症状を伴うことがあるため、脳・神経の異常が原因で起こることが多いと言われています。




               立ちくらみのようなめまいは立ち上がるとクラッとする・時に目の前が暗くなるという症状で、
                 ひどいと失神を伴う場合もあります。起立性低血圧のような血圧の変動に関係する全身性の
                 病気が原因として考えられます。


                                                             出典:めまいナビ




めまいで医療機関を受診されると、どのような症状の(上記3タイプのどの)めまいがいつ起こって、どのくらい続いて、ほかにどのような症状があらわれたかなど、詳しい症状や生活環境についての問診があります。この問診により、医師はめまいの原因を探り、検査の方法を選択していきます。

次に画像検査(CT、MRI)で原因が脳の異常かどうかを調べる検査をします。脳梗塞・脳出血などが疑われる場合は緊急検査となります。画像検査で原因が不明で、必要でしたら耳鼻科を受診していただき、眼振(がんしん)検査、体平衡検査、聴力検査のような検査を必要に応じて行っていただくようにしています。


めまいが起こったときには、めまい以外に吐き気や嘔吐などを伴ったり、不安がめまいを一層悪化させたりする場合がありますので、まず落ち着いて安静にすることです。

受診されましたら症状に応じて薬を使用します。内服が困難な場合には注射や点滴をします。使用する薬で主なものは脳や内耳(ないじ)の血流を増やすことによって、めまいを改善させる抗めまい薬・循環改善薬、 吐き気止め、抗不安薬、メニエール病の場合の浸透圧利尿薬、ステロイド薬、神経作動性ビタミン薬などがあり、病状に応じて処方されます。

最も多い良性発作性頭位めまい症では、エプリー法という頭やからだを動かしてめまいの原因となる三半規管内に遊離した耳石を元にあった場所に戻す手技を行うことがあります。うまく耳石が前庭内に戻ると、劇的に症状が改善するため、TVでゴッドハンド療法として紹介されていたこともありました。

また、めまいが治まっているときには、めまいの原因の改善や、再発予防を目的に薬(漢方薬、抗うつ薬が効く場合があります)を服用します。

予防のためには疲れないようにする、飲酒・たばこを控える、睡眠を十分にとる、規則正しい生活をすることが重要です。からだのバランス感覚を取り戻すために、眼を動かしたり、頭を動かしたりして平衡訓練を行うことも有効です。
めまいがよく起こる場合はご相談ください。





◆かかりつけ患者さん募集中

 最近の医療は病気の診療だけではなく、病気の予防、早期発見、初期治療に重点が置かれています。
そのためには、「かかりつけ医」として日常的に気軽に診療や健康診断を受けることができる医院を目指すことが大切だと考えます。
当院では「かかりつけ患者」として下記に同意していただける方を募集しています。興味がございましたらスタッフまでお尋ねください。

何をしてくれるの?

かかりつけ患者になるには?

慢性疾患をお持ちで、月に一度は当院に定期的に受診される方のうち、下記の項目に同意していただける方です。
以上を納得され、書面にサインしていただける方を当院のかかりつけ患者として登録させていただきます。

現在のところ、何かあれば当院に受診される方、住民検診などを当院で受ける方はかかりつけ患者の範疇にはいれていません。風邪をひいたら、今回はあそこの診療所、次回は○○病院という方もご遠慮いただいています。

かかりつけ患者になって総合的に管理してほしいと思われた方がいらっしゃいましたらお気軽にスタッフまでお声をおかけ下さい。



◆編集後記

早いものでホームドクター通信も40号になりました。

発行が遅れましたが、まだまだ頑張ります。

今号も療養通所介護アネトスのスタッフによるアネトス通信コーナーを入れてみました。

施設や医院にパンフレットを用意していますのでご覧ください。