ホームドクター通信
2010年10月 No.59

◆お知らせ


10月も後半にはいり、急に寒さを感じるようになってきました。
今年は夏が長かったような印象を受けますが、いよいよ冬の到来のようです。

平成12年10月1日に継承ですが、新規開院をしましたので、おかげさまで当院も開院して10年を迎えることができました。
何のビジョンも持たないまま診療を開始したことを昨日のように思い出します。
その後電子カルテ導入、診察室の増築、ISO9001の導入、療養通所介護アネトスの開設などスタッフとともに歩んできました。
これからも皆様のご意見をお聞きしつつ、ご利用していただける方の健康管理・満足度の向上に努めていきたいと思います。


インフルエンザ予防接種しています

10月1日よりインフルエンザ予防接種を行っています。今年の配布ワクチンは新型インフルエンザを含んでいます。
1回3500円、2回目は2500円、忠岡町在住の65歳以上の方は1000円です。
詳しくは受付にお問い合わせください。


禁煙治療

タバコが10月1日から値上げされました。
これを機に禁煙を決意される方が多いようです。当院ではニコチンパッチと飲み薬が保険適用です。
喫煙はニコチン依存症という病気です。ニコチンパッチや飲み薬は治療薬で、楽に禁煙することができます。
是非この機会に禁煙をご検討頂きたいのですが、爆発的な禁煙ブームとなったため、残念なことにニコチンパッチもチャンピックスというのむ禁煙補助剤も全国的に品薄となっています。

当院は薬剤が確保できる間は禁煙治療をしますが、供給できなければ一旦禁煙外来を中止しようかと思っています。
薬剤があるかどうかは、すみませんが、受付にお問い合わせください。
今回はCOPDのお話で禁煙しようというメッセージを次のページからしていますのに、申し訳ありません。
来年からは禁煙補助薬剤は安定供給ができると聞いています。




◆アネトス通信


急に寒くなりましたね。
秋といえば食欲の秋・スポーツの秋・芸術の秋ということで、利用者の皆さんと大正琴を鑑賞しました。
介護施設では色々なグループが慰問してくれますが、アネトスでは出かけることにこだわり、忠岡東第一住宅集会所で行われている大正琴の練習に参加しました。

利用者は気管切開をしていて吸引が再々必要な方や酸素が常時必要な方、情緒不安定な方、家族様だけでは外出が困難な方々で、当日は、あわただしく必要な処置を済ませ、身なりを整えて出発!
会場では一般の人に交じって、古賀メロディーを懐かしく口ずさむ方や
コンサートのように奥様と待ち合わせをしたりして楽しそうにする利用者
の姿をたくさん目にすることができました。
今後も病気のために断念するのではなく、社会に積極的に参加できる
ようサポートしていきたいと思います。

ご協力くださった、琴和会の皆さんありがとうございました。





◆特集:COPDのお話



誰でも階段や坂道を歩いたときや体を急に動かしたとき・走ったときなどに息切れを経験されたことはあるでしょう。
高齢の方で頻繁に感じる、という方もおられると思います。

しかし、息切れは年のせいだけでなく、なんらかの病気が原因である場合があります。
心臓の動きが落ちてくる心不全もそうですし、貧血だったということもあります。
息切れの原因を調べると一番多いのが呼吸器疾患で、その中で最も多いのがCOPD(chronic obstructive pulmonary disease慢性閉塞性肺疾患)です。


COPDは肺への空気の通りが慢性的に悪くなり、ゆっくりと進行していく疾患です。
これまでは、肺気腫や慢性気管支炎という病名の方が一般的でしたが、近年はCOPDという名称が使用されます。
日本には500万人以上いるといわれています。


COPDは別名たばこ病と言われており、原因の90%以上は喫煙です。

たばこの煙や微小な粒子によって、慢性的な炎症が気管支や肺胞におこり、ついには肺胞が破壊されます。
肺胞のダメージにより酸素が体内に取り込まれにくくなるので、呼吸困難を自覚するようになります。
喫煙開始の年齢が若いほど、また1日の喫煙本数が多いほどCOPDになりやすく、進行しやすいと言われています。
COPDが進行すると少し動いただけでも息切れし、日常生活もままならなくなります。
さらに進行すると日常生活に酸素ボンベが必要になります。
重篤になると呼吸不全や心不全を起こす命に関わる病気ですので早期発見、早期治療が重要です。


COPDの主な症状は

     ・階段の上り下りで息切れがする

     ・せきやたんが出る
     
     ・風邪が治りにくく、せきやたんが続く

     ・喘鳴がある。呼吸のたびにゼーゼー、
      ヒューヒューがある

などです。

いずれもありふれた症状であるため、見過ごしてしまいがちで、COPD発見の遅れにつながります。
特に40歳以上の方で、喫煙歴のある方は要注意です。
上記のような症状のある方は、軽く考えず早めにご相談ください。




胸部X線検査ではCOPDの早期発見は困難で、診断には呼吸機能検査が不可欠です。

呼吸機能検査にはスパイロメーターという機械を使います。
肺活量を測る機械ですのでご覧になった方も多いでしょう。当院にもあります。

この機械で肺活量とともに1秒間に吐き出すことのできる空気の量(1秒量)を測ります。

この1秒量がCOPDの診断に重要なのですが、最近では一般の方にわかりやすくするために
肺年齢という指標を使います。


測定した1秒量と身長を、日本呼吸器学会(JRS)肺生理専門委員会の「一秒量の標準回帰式(18〜95歳)」(2001)に代入して算出します。計算式は省略しますが、現在の肺の健康状態を知る目安を提供しています。

標準の方に比べて自分の呼吸機能がどの程度であるかを理解して頂くための指標です。
「肺年齢」という表現に置き換えることによって、自覚症状がまだでてない早期の呼吸器疾患(主にCOPD)患者に自覚を促そうとしています。ひいては肺疾患の進展を予防、特に禁煙指導の向上を図るのが目的です。


肺年齢が実年齢より20歳以上もかけ離れているときCOPDが疑われ、更に詳しい検査、治療が必要となります。
破壊された肺胞を元に戻すことは残念ながらできません。しかし、病状の進行を抑えたり症状を和らげることは可能です。
治療はまず禁煙です。禁煙すると肺機能の低下速度はその時点からタバコを吸わない人と同程度になります。また、禁煙はいつ始めても有効です。始めるのに遅すぎることはありません。

現在症状がなくても、喫煙習慣は非常に高いリスクなのです。禁煙は現在ニコチン依存症という病気であると考えられており、禁煙補助剤を使用することにより従来よりも楽に禁煙することができます。



COPDの症状が出てしまった方には、気管支拡張剤、吸入ステロイド剤、抗菌薬を症状に応じて使用します。
また、風邪が契機になり呼吸機能が急に悪くなることもありますので、インフルエンザや肺炎球菌ワクチンなども接種が勧められます。運動で体内の酸素濃度が落ちてしまう方には酸素を吸入していただきます。


2010年11月17日(水)は世界COPDデーです。
これは、COPDの研究と啓発に力を入れるGOLDという組織が主唱し、世界COPD患者団体連合会が協力する世界的なイベントです。各国の医療従事者や呼吸器専門医とのパートナーシップのもとに、COPDへの注意を喚起するためのさまざまな活動が実施されています。

2010年の世界COPDデーのグローバル・テーマは“2010年は世界肺年(The Year of the Lung)肺の健康状態を知ろうかかりつけ医に相談し、簡単なスパイロ検査で呼吸機能の測定を”です。


今回はCOPDという疾患の御紹介と呼吸機能検査で肺年齢を測ろう、禁煙しようというメッセージをお届けしました。









◆かかりつけ患者さん募集中

 最近の医療は病気の診療だけではなく、病気の予防、早期発見、初期治療に重点が置かれています。
そのためには、「かかりつけ医」として日常的に気軽に診療や健康診断を受けることができる医院を目指すことが大切だと考えます。
当院では「かかりつけ患者」として下記に同意していただける方を募集しています。興味がございましたらスタッフまでお尋ねください。

何をしてくれるの?

かかりつけ患者になるには?

慢性疾患をお持ちで、月に一度は当院に定期的に受診される方のうち、下記の項目に同意していただける方です。
以上を納得され、書面にサインしていただける方を当院のかかりつけ患者として登録させていただきます。

現在のところ、何かあれば当院に受診される方、住民検診などを当院で受ける方はかかりつけ患者の範疇にはいれていません。風邪をひいたら、今回はあそこの診療所、次回は○○病院という方もご遠慮いただいています。

かかりつけ患者になって総合的に管理してほしいと思われた方がいらっしゃいましたらお気軽にスタッフまでお声をおかけ下さい。



◆編集後記

11月に入りましたが10月号です。

残念ながら間に合いませんでしたが、来月号(今月号?)は頑張ります。
 

急に寒くなってきました。

風邪をひかないように、体調管理に気をつけましょう。

うがい・手洗いを忘れずに!