ホームドクター通信
2011年 5月 No.66

◆お知らせ


5月になりました。初夏の候とはいえ(現在5月下旬)、既に梅雨入りとなり随分寒い日があったりで天候は不順です。体調を崩さないように気をつけて下さい。今回の医療情報は梅雨の時期の健康管理にしました。

予防接種

公費負担の予防接種3種類のうち、インフルエンザb型ワクチン ヒブ と肺炎球菌ワクチン プレベナーは接種が再開されています。三種混合との同時接種も可能のようです。
子宮頸がん予防ワクチン サーバリックスはメーカーの供給不足により新しい 接種は控えるよう指導がきています。このため対象からはずれる4月から新高校 2年の方はしばらくは救済処置がとられるようです。
麻疹風疹予防接種の第4期対象者に高校2年生で学校行事による研修・修学旅行で海外に渡航する生徒が追加されます。接種対象となる高校2年生は学校長の証明書を保健センターに提出して、予診票をお受け取りください。
予診票記載して、学校の証明書を持って来院ください。

また、日本脳炎の公費対象の年齢枠が拡大されます。
日本脳炎の予防接種は平成17年から21年まで接種勧奨差し控えにより接種機会を逃した人への特例です。
これにより3歳から20歳未満の人が公費接種対象になります。詳しいことは忠岡町保健センターにお問い合わせください。

平成23年度の住民健診が始まっています。

震災の影響で調達できない薬剤があります。
いつも服用している薬が品切れで別の薬に変わる場合がありますのでご了承ください。

ISOの審査が7月5日に行われます。午前中の診療予約が少し制限されます。

休診のお知らせ

7月9日土曜日:研究会出席のため、休診します。

お盆休み 8月15日(月)- 18日(木)です。

ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いします。

◆梅雨時の健康管理について

 まだ5月というのに、梅雨に突入してしまいました。観測史 上2番目の早さだそうです。
この時期は、寒暖の差が大きく、湿度の上昇に伴って、気分もイ ライラ・湿りがち。高温多湿によるカビ・ダニ、細菌の繁殖。その ための皮膚疾患や細菌の繁殖による食中毒も多くなります。気圧の 変化のためか関節痛を訴える方も増えてきます。一年のうちでも体 調を崩し易い時期と言われています。
そこで今月は、梅雨の時 期の健康管理について考えてみたいと思います。

体調管理

梅雨の時期には、湿気が高いことや日ごとに気温差も生じること が多いため、体温調節がうまくできなくなります。このため、抵抗 力が落ちて風邪をひきやすくなったり、手足のだるさを感じること が多くなり、次第に全身のだるさや疲労感を感じ、さらに気分も沈 みこみがちになる人が多くなります。心身の調子を崩さないために は、やはり食事や睡眠などの生活習慣に気を配ることが必要です。
以下対策です。一年中適応できるのですが、特に梅雨時に、ということで。
疲れは早めにとるように・睡眠は十分に
栄養バランスのとれた食事を!
特に朝食はしっかりとりましょう。一日の始まりである朝食をしっ かり食べると、体温が上昇して脳の働きがたかまり、体の中から目 覚めます。
動かずにじっとしていること、単一動作の繰り返しが疲労の原因に なります。スポーツで積極的に体を動かして、心地よい汗を。
面倒がらずに衣服で体温調整を。
エアコンの効きすぎにも注意。特に今年は省エネを心がけましょう。
風邪の予防のためにもうがい、手洗いを励行してください。

食中毒


梅雨どきに多くなるのが食中毒です。
食中毒予防の三原則は、食中毒菌を「付けない、増やさない、殺 す」です。家庭でできる食中毒予防6つのポイントという情報が厚 生労働省から出されています。
食品の購入・家庭での保存・下準備・調理・食事・残った食品の6つの ポイントについて注意点が記載されています。なかなかいいことが書かれてある のですが、全部書くと長くなるので、抜 粋してみます。
  食料品は、室温で保存すると細菌が増殖します。
生鮮食品購入後は寄り道せずに、なるべくはやく冷蔵庫に入れて保管し ましょう。
手洗いが最も重要です。 時間が過ぎたものや異臭のするものは 思い切って捨てましょう。
まな板や包丁など使用する前に熱湯等で殺菌するよう心がけてください。
冷蔵庫はつめすぎないように。7割程度がめやすです。肉汁や魚の 汁が他の食品につかないよう保管してください。
冷凍食品を室温で解凍すると、食中毒菌が増える場合があります。 冷蔵庫か電子レンジで解凍するように。
使う分だけ解凍し、解凍が終わったらすぐ調理しましょう。解凍し た食品をやっぱり使わないからといって、冷凍や解凍を繰り返すの は危険です。 冷凍や解凍を繰り返すと食中毒菌が増殖したりする場合もありま す。 ちょっとでも怪しいと思ったら、食べずに捨てましょう。口に 入れるのは、やめましょう。
以上の食中毒予防のポイントは食中毒菌を「付けない、増やさない、殺 す」三原則から成っています。これ らのポイントをきちんと行い、 家庭から食中毒をなくしましょう。
食中毒というと、レストランや旅館などの飲食店での食事が原因と 思われがちですが、毎日食べている家庭の食事でも発生しています し、発生する危険性がたくさん潜んでいます。
ただ、家庭での発生では症状が軽かったり、発症する人が1人や2 人のことが多いことから風邪や寝冷えなどと思われがちで、食中毒 とは気づかれず重症になったり、死亡する例もあります。 食中毒は簡単な予防方法をきちんと守れば予防できます。 もし、お腹が痛くなったり、下痢をしたり、気持ちが悪 くなったりしたら、受診して相談してください。

皮膚疾患・肌のトラブルを防ぐ

 高温多湿はダニ、カビ、細菌にとって繁殖しやすい状況です。ダニに刺された り、皮膚炎や水虫など肌のトラブルも増える季節です。

【アトピー性皮膚炎】

梅雨時にはアトピー性皮膚炎が一時的にに悪化することがあります。
ダニ・カビ、ハウスダストの影響、更に汗そのものに皮膚炎を悪化 させる働きはないようですが、汗に溶けた汚れが皮膚炎のかゆみを 引き起こしているのではないかと推測されています。


<スキンケア>

1.肌はいつも清潔に
  汗や汚れはすぐに洗い落とすように。
  入浴、シャ ワー後は必要に応じて保湿剤を塗ってください。
2.風呂はぬるま湯
  熱いお風呂に入るとかゆみがひどくなります。刺 激の少ないせっけんなどを使い、よく泡立て、やさしく洗い、強く こすらないように。
  せっけんやシャンプーが残らないよう十分すすぐことも 重要です。
3.かゆくてもかかないように心がける
  かゆいときには冷やし、 つめは短く切る。
4.こまめにお部屋の掃除を
  しばらく使ってなかったクーラーか ら出るほこりは、皮膚炎を悪くさせる原因のひとつ。使用前は掃除 し、しばらく換気してから使う。
  これらのスキンケアとともに、塗り薬などを適切に使うことで、皮 膚炎そのものを改善させることが大切です。

【水虫】


 水虫はかびの一種である皮膚糸状菌・白癬(せん)菌が足の皮膚 に侵入して発病、住宅環境などを介してうつる感染症です。梅雨時は高温多湿 と相まって活動が活発となります。
  水虫の感染経路で最も多いのは足ふきマットやフローリングの 床、畳、共同のスリッパなど。公共の場所で素足になり菌の付着機会があったと き は、足の指の間を含めて足全体をせっけんで洗い、 しばらく乾燥することが菌除去に有効とされています。家族に水虫 の方がおられる場合には、その方の治療とともにマットやスリッパ の洗濯や床の掃除で菌の除去、減少をはかることができます。
  水虫は抗真菌剤の外用薬の使用が有効です。薬は入浴後または、就寝前に塗り ます。
最初の2 週間は足全体と指の間への塗布が必要で、治っても最低1カ月は継 続使用が必要です。 梅雨の晴れ間には、部屋の窓を全開にして風を通しましょう。
布団 を干すことも大切です。黒い布をかけると熱をよく吸収し効果的です。 じめじめした梅雨を健康に乗り切りましょう。

◆アネトス通信


4月から5月にかけて、体調を崩される利用者が数名いらっしゃいました。1日の気温差が激しいことが体調に大きな影響があるように思います。
特に高齢者の脱水や熱中症は夏場だけでなく、この時期からも十分注意が必要で、昨年の夏に院長から講義があったことをおさらいしたいと思います。
高齢者の方は症状が乏しく、発見が遅れることが多い傾向にあり、医療従事者や介護している方はそのことを十分理解し、こまめな水分補給につとめ、環境を整えることが重要です。体温を測ること以外にも、部屋の環境を手軽に測定できる携帯型熱中症計を利用したり、排泄物の状態(便秘傾向になったり、尿が濃くなり少量になったりしていないか)や痰の粘り気が強くなったりしていないか気をつけることが必要でしたよね。アネトスでもこまめな水分補給につとめ、衣服や掛け物で体温を調整しています。


今年も、忠岡町福祉事業所連絡会主催の作品展示会が、忠岡役場で開催されました。10箇所の事業所が参加し、色々な作品が5月12日〜20日まで展示されていました。中にはご覧になられた方もいらっしゃるでしょう。アネトスも利用者の方には、詩、ちぎり絵、押し花のしおり、アロマ芳香剤、ティッシュケースをデコレーションした作品など、利用者が増えた分、いろんな思いの作品を展示することが出来ました。

◆かかりつけ患者さん募集中

 最近の医療は病気の診療だけではなく、病気の予防、早期発見、初期治療に重点が置かれています。
そのためには、「かかりつけ医」として日常的に気軽に診療や健康診断を受けることができる医院を目指すことが大切だと考えます。
当院では「かかりつけ患者」として下記に同意していただける方を募集しています。興味がございましたらスタッフまでお尋ねください。

何をしてくれるの?

かかりつけ患者になるには?

慢性疾患をお持ちで、月に一度は当院に定期的に受診される方のうち、下記の項目に同意していただける方です。
以上を納得され、書面にサインしていただける方を当院のかかりつけ患者として登録させていただきます。

現在のところ、何かあれば当院に受診される方、住民検診などを当院で受ける方はかかりつけ患者の範疇にはいれていません。風邪をひいたら、今回はあそこの診療所、次回は○○病院という方もご遠慮いただいています。

かかりつけ患者になって総合的に管理してほしいと思われた方がいらっしゃいましたらお気軽にスタッフまでお声をおかけ下さい。


◆編集後記

当院からの情報、お知らせをメールで患者の皆様にお送りしていこうかと考えています(同じ内容をツィッターにも載せようかと)。ご希望の方はinfo@majima-clinic.jp までメールをお送りください。
また受付でも随時、皆様のメールアドレス(携帯でもPCでも)をお伺いしていきますので、当院からのお知らせを受け取ってもいいよ、という方は是非ご登録ください。メルマガの形態をとろうかと検討中です。最初はこちらの登録制で。慣れてきたら誰でもネット上から申し込めるようにしよと思っています。
今年はホームページを充実させて、ブログ、ツィッター、フェースブックなど駆使しながら(いつも1カ月続かない)当院からの情報を発信させていきたいと考えています。