2013年 1月 No.86
ホームドクター通信

◆お知らせ

新しい年を迎えました。旧年中は大変お世話になり有り難うございました。本年もよろしくお願いします。

昨年は12月の衆院選で、自民党が政権の座に返り咲きました。
アベノミクスという経済政策も出され、少し期待の持てるところです。

ちなみにアベノミクスとは、自民党総裁・安倍晋三が構想する経済政策で、安倍+「エコノミクス」の造語だそうです。

デフレと円高からの脱却、名目3パーセント以上の経済成長の達成などを掲げており、 これを実現するための強気な経済政策案が挙げられている、とか。
株価が上がっているなど、いい方に向くよう期待しています。
まずは経済政策、復興第一ですが(外交も)、医療問題もしっかり議論していただきたいと思います。

インフルエンザが猛威を振るいだしました。
1月になって、とても寒い日が続いています。今年の冬は例年に比べ寒いようです。
それに伴い、インフルエンザが流行しており、学級閉鎖の情報も連日でています。

今回の医療情報は久しぶりにインフルエンザを取り上げました。

インフルエンザ予防接種しています

1回2800円、2回目は2000円です。
忠岡町在住の65歳以上の方は1000円です。1月31日まで適用されます。
まだの方はお早めに。

子宮頸がんワクチン、肺炎球菌ワクチン、Hibワクチンも引き続き受け付けています。
また新たに4種混合ワクチン(3種混合+ポリオ)が始まりましたが、品不足だそうです。

ノーベル賞を受賞した、iPS細胞の話題。研究でiPSから腎臓に分化した、毛髪を作る皮膚の組織に分化した、というニュースが最近ありました。将来的には腎臓の再生、毛包を持った皮膚の再生も可能になる可能性があります。
透析中の方、髪の毛の薄くなった方には朗報ですね。
こんな研究がもう少ししたら、次々と出そうな予感。肝臓も膵臓も研究中のようですし。しかし、実用化にはもう少しかかりそう。恩恵を受けるには長生きする必要がありますね。

泉州マラソンが近づいてきました。寒さの中準備中です。
なんとか怪我の無いように完走したいものです。
最近電車に乗る機会があったのですが、駅の改札入ったところに、忠岡町の泉州マラソン参加者名簿が貼り出されていました。昨年もあったのでしょうか?結果が貼り出されているのは見ましたが。
2年前、初めて参加したときはひたすら隠そうとしていましたが、無理、ということが判明しました。忠岡町役場の人が、忠岡町在住の参加者をリストにしているそうですので。
マラソン当日、大津川の橋の上で、忠岡町の係の方が、忠岡町のランナーが通るのをゼッケンでチェックして、本部に連絡していました。
連絡を受けた本部が忠岡町の交差点(オクカメラのところです)で、○○選手ただいま通過します、とマイクで放送しています。
私は2年とも選手の塊の中に紛れてゼッケン確認されないまま、名前を呼ばれることもなく忠岡町を通過していきました。今年もまた、見つからないようにしてみたいと思います。

近隣のサービス付き高齢者住宅の管理医師になりました。当院が在宅医療を提供します。
和泉しんのう庵、忠岡ユアサイドの2か所です。
待合室にパンフレット置いています。入居御希望の方がいらっしゃいましたら、当院スタッフまで。

◆アネトス通信

新年明けましておめでとう御座います。
また、新たな一年の始まりとなりました。
皆様にとって、よい一年となれば良いですね。

さて、寒さも一段と厳しく感じますが、皆様の体調はいかがですか?
インフルエンザ・ノロウイルスの流行が本格的になっています。
所々では、インフルエンザ・ノロウイルスによる感染で、死亡に至るケースも、テレビや新聞などで取り上げられています。
小児や高齢の方は、特に注意を払ってください。
日頃から、手洗い・うがい、マスクの着用など簡単な事から心がける用にしましょう。

また、2013年レクリエーション第一弾として、たこ焼きパーティーを実施しました。当日の利用者様は、皆とワイワイしながらコミュニケーションをとるのが、お好きな方で、笑顔も覗かせていただけました。皆でとる食事は、やはり会話もすすみ楽しいものですね。
今後も、また色々と考えていこうと思っています。

◆インフルエンザについて

1月になり、急に寒くなり、インフルエンザのシーズンが到来しました。
厚生労働省の発表でも、インフルエンザの1月に入っての報告数は増加しています。
定点医療機関からの報告をもとに、定点以外を含む全国の医療機関をこの1週間(H25.1.14-20)に受診した患者数を推計すると全国で約140万人となるそうで、今後の増加も危惧されています。
今年の流行株は感染症センターによると、AH3N2亜型が主に検出され他に、AH1N1pdm09、B型はビクトリア系統株が報告されています。

A型インフルエンザウイルスの表面にはHA(赤血球凝集素)とNA(ノイラミニダーゼという酵素)の2種類の突起があります。
それぞれの組み合わせにより、インフルエンザの特徴が変わります。

昨年のインフルエンザで多かったのは変異株のA香港型(H3N2)で、それに加えてB型でした。
新型インフルエンザ(2009H1N1)ウイルス改めA(H1N1)pdm09 型ウイルスは少なかったようです。そのためか予防接種を受けても発症した、という方が比較的多かったような印象があります。

それを受けて今年のインフルエンザワクチンは2011-2012年と比べ、AH3N2、Bの株が変更になりました。

A/カリフォルニア/7/2009(H1N1)pdm09株
A/ビクトリア /361/2011(H3N2)株
B/ウィスコンシン/01/2010株

これにより、 A型香港型、B型インフルエンザと新型インフルエンザ(H1N1pdm)の重症化を防ぎます。

今年の流行をみても、昨年とほぼ同じで、今年のワクチンは有効な印象をうけます。
ただ、インフルエンザワクチンは打てば必ず発症がおさえられるというワクチンではありません。
その役割はかかりにくくすることと、かかっても免疫があるために重症化しないこと。
死亡者や重症者を出来る限り減らすことが期待されています。
ワクチンの予防効果持続期間はおよそ5カ月と推定されています。今からでもインフルエンザワクチンを打っておくのは意味のあることだと考えています。

鳥インフルエンザはHAが5番目、NAが1番目の型のウイルスで、非常に病原性が高いことで知られています。これが変異して、人から人に容易に感染するようになれば、新しいインフルエンザウィルスが爆発的な流行をすることになり(パンデミックといいます)となるので、注意が必要です。
残念ながら、今年のワクチンは鳥インフルエンザ(H5N1)には効果はありません。

インフルエンザは予防が第一です。ワクチンの接種を受けていても、日頃から手洗い・うがいをきちんと行い、流行時期は人ごみをさけて感染機会を減らすことはとても大事です。
何よりまず、手洗い。手についたウィルスが感染するのは意外に多いです。そして外出時はマスクをする。外出から帰ったらうがい、手洗いをする。
他人にうつさないという姿勢も大事です。咳くしゃみが出る場合は他の人への思いやりとして、咳エチケットをお忘れ無く。
外出時にはマスクを。咳くしゃみがでるときは、ティッシュで口と鼻を覆うよう気をつけてください。

かかってしまったら、インフルエンザの特徴は突然発症する高い熱です。また咽頭痛、関節痛、筋肉痛も出現します。
しかし今年は、体温36度6分から37度前後でも寒気と筋肉痛、関節痛があり、いつもと違ってなんとなくしんどそうな顔をしている、元気そうに見えていても目がうるんでいる場合でも意外とA型インフルエンザが出ます。
今年はあまり熱が上がらない方でも迅速反応が陽性に出るケースが目立つように思います。ワクチン接種効果なのかもしれませんが。

高い熱が出たら、高い熱がでなくても寒気、関節痛があれば診療所、病院を受診しましょう。
診療所、病院では診断のため、インフルエンザ迅速検査をします。
鼻の奥の粘膜から粘液を採取し、インフルエンザウィルスがいるかどうかを判定します。
残念ながら、一般の試薬では、非常に早期の検出はできません。
初日陰性で、翌日陽性だったというのもよく経験される話です。状況からインフルエンザが考えられるときは、迅速検査が陰性でも、あるいは迅速検査をしない状態でもインフルエンザと診断する場合があります。

治療

数年前と比べて著しく進歩しています。インフルエンザには特効薬が何種類かあります。当院でも、点滴、吸入薬、内服薬を症状、年齢に応じて使用しています。特に昨シーズン登場した点滴と吸入薬が最近主に使われます。どちらも一回で有効です。いずれも昔に比べると切れ味がいいな、、と思っています。

登校禁止について

新しいインフルエンザ治療薬が出て、症状が無くなる期間が短くなったため、新しい問題がでてきました。他人への感染力が残ったまま登校するケースが増えたことです。
当院でも昨年一名、中学生で金曜日の朝から熱がでて午後に受診しインフルエンザの診断。
点滴して土曜日には熱が下がったため、月曜日から登校した方がおられました。
下校後の月曜の夜に登校許可書を持ってこられました。これは今までなかったことで大変驚きました。
多分感染力はあったと思われ、他の生徒に移していないか、とても心配しました。
同じような事例が多かったのでしょうか。
小中高生や大学生がインフルエンザを発症した際の学校の出席停止期間について、文部科学省は「解熱後2日間」から「発症後5日を経過し、かつ解熱後2日間」に改めました。 
発症後5日を過ぎれば、ウイルスがほとんど検出されなくなるという研究報告を踏まえたものです。
幼稚園児は「発症後5日を経過し、かつ解熱した後3日間」としました。
昨年平成24年4月1日から実施されています。
昨年以後、「発症後5日を経過し、かつ解熱後2日間」を説明しているのですが、なかなかわかりにくいようです。
というのも、医学の慣用で、発熱した日、つまり発症日のことは発症当日、発症0日目と考えるのですが、一般の方は発熱した日を発症後1日目と考える傾向があることがわかりました。
下記に早見表をつけました。(小松市教育センター・白山ネット作)参考にしてください。

◆編集後記

今年の目標は、情報発信をする。院内報を月初め発行に戻す。依頼された書類、文書は締め切りを作って(守って)、早く処理する、にしました。
毎年同じことを言っているような気もしますが。今回は手段(tool)を変えて実現できるよう取り組みます。