2013年 6月 No.91
ホームドクター通信

◆当院からのお知らせ

梅雨の季節です。今年は入梅後あまり雨が降らず、真夏を思わせる日差しの強さを感じる日が続き、本当に梅雨か?と思えるほどですね。農家の人たちが雨乞いをしているところに突然の豪雨。その後またあまり雨が降らない、などちょっと変わった梅雨です。訪問診療に回っていると、部屋のあまりの暑さにクラクラしてしまうことがあります。御本人は平気と仰っていますが、体は熱く、汗ばんだりしています。熱中症に注意が必要です。特に高齢者の方は遠慮せずエアコンを使うべきだと思っています。若い人は涼しい恰好をして、水分・塩分を十分とり、エコな涼感グッズを使って我慢しましょう。

平成25年度の住民健診が始まっています。
町の努力もあって、自己負担は500円。
また、肝炎ウィルス、大腸がん検診については、40・45・50・55・60歳の方には無料クーポンが発行されています。
対象となる方は是非受けて下さい。

風疹患者が全国的に特に大阪で増加しています。
忠岡町ではMRワクチン予防接種(麻疹・風疹混合ワクチン)の助成を開始しました。
実施期間は9月30日まで。対象は接種日当日、19歳以上で、忠岡町に住民登録を有するもので、@妊娠を希望する女性、A妊娠している女性の配偶者にあてはまる人です。男性については妊婦の配偶者で、接種の際には妻の母子手帳が必要です。公費助成額は7000円。当院では2000円の御負担で、該当される方には接種します。御希望の方は予約の上、接種に来て下さい。

小学校6年生から高校1年生の女子にしている子宮頚がんワクチンで、長期的な痛みを伴う重い副反応が報告されました。現在詳細は調査中。今のところ積極的に接種は勧奨を一時差し控えることになっています。
御希望の方は公費での接種は可能ですが、副反応があったことは御承知ください。

ISO9001審査がありました。

6月3日、4日に当院のISO9001の審査がありました。
結果は無事認証の継続が確認されています。最初に審査を受けてからもう9年になりますが、段々審査の内容がレベルアップされている印象を受けます。
いくつか改善しないと行けない点を指摘されましたが、いいことだけ書きます。事務職員が積極的に勉強会に参加していること、看護師の在宅患者の把握方法が優れているなど評価いただきました(GoodPoint)。
それに加え、今回はこの院内報がGoodPointを受けました。
地域への情報提供を発信している、90号になるなど継続している、が評価ポイントでした。
これは、続けなければ・・・・と思いました。
早く月の最初に出せるようにしたい。

大阪マラソン2013年10月27日・当選
第3回大阪マラソンの抽選に当たりました。
倍率5-6倍とのこと。
大阪城をスタートして、御堂筋を経由して、南港のゴール。
また7月後半から走り込みを予定します。
今はシーズンオフで少しだらけてる状態。神戸マラソンは落選しました。昨年、一番天気がよくて爽やかなコースでした。昨年の目標はタイム4時間切ることでした。神戸が4時間1分で、あ〜、今年はダメだったな、と思っていた矢先、年齢別の記録証が届きました。タイムは3時間57分。
スタート地点を通過してからのタイムが記載されていました。私は4時間切りを達成したのでしょうか?

お知らせ

現在ネットでの診療予約が出来ない状態になり、ご迷惑をおかけしています。新しい予約システム導入を検討中ですのでもうしばらくお待ちください。
恐れ入りますが、ご予約の際は平日9時から20時・木曜は17時まで、土曜日は12時までに電話でお願いします。

駐車場整備しています。
来院患者さんから、待ち時間に次いで多いクレーム。駐車場が狭い。停められない。今回、家庭菜園+花畑を撤去し、駐車場の拡充にあてることにしました。タイヤ止めもつく予定。
しばらくご迷惑をおかけしますが、御協力ください。

◆アネトス通信

地域住民の皆様こんにちは。
今月も、蒸し暑い日が続きますが、皆様どのようにお過ごしでしょうか?
5月末には、梅雨に入ったのも関わらず、今年は雨も少なく本当に過ごし難いですね。
真夏日の日も多く、熱中症の報告も所々であり、あまり無理をせずに過ごして下さいね。

先日アネトスでは、今年も忠岡町福祉事業所連絡会が主催の作品展に出展しました。手作りの箸袋や、利用者様の手形を魚のうろこにみたてた鯉のぼり等を出展しました。
他の福祉事業所も色々と手の込んだ作品もあり、勝負を付けるための作品展ではありませんが参加できて良かったです。

また、今年度もアネトスでは災害訓練を実施しました。今年は、内容を地震に設定しました。当日は4名の職員に加え、2名の利用者様に参加して頂きました。
すべての内容を10分以内に終える事ができ、日頃の成果がでたと感じました。
今後も安全第一を頭に入れ、より一層利用者様やご家族様に安心して頂けるように努めていきます。

◆乳がんについて

ハリウッドのセレブ女優でブラッドピット氏の妻であるアンジェリーナ・ジョリーさんが遺伝性乳がんのリスク低減のため、予防的乳房切除術を受けたことが話題となりました。
今回は、乳がんについて書いてみます。

女性の乳房には母乳を作る乳腺があります。
乳腺は乳汁を作る乳腺房を含む小葉と、乳汁が通る乳管からなります。乳がんのほとんど(約90%)は乳管の上皮組織から発生する乳管がんです。
稀に男性に乳がんが発生することがあります。
乳がんにかかる日本人女性は年々増えており、1994年には胃がんを抜いて女性のがんの中で最も発症率が高いがんになりました。
日本人女性の16人に1人が乳がんになるといわれており(約6%)、この割合は今後も増加していくと考えられます。
ちなみにアメリカでは女性の8人に一人が乳がんにかかるという統計がありますが、1990年以降、乳がんの死亡率は徐々に減少しつつあります。
これは食生活を含めたライフスタイルの変化やマンモグラフィーの普及による早期発見が大きく寄与しているといわれています。

乳がん発症の危険因子としては、早い初潮年齢、遅い初産年齢、少ない出産数、遅い閉経年齢、乳がんの家族歴そして放射線の暴露、閉経後の肥満やアルコールなどがあります。
それ以外に、タバコ、食事の欧米化なども乳がんの危険因子であると疑われています。
危険因子である出産や月経にかかわっているのが女性ホルモンです。
女性ホルモンは乳腺組織を刺激し、細胞の増殖を促します。細胞の増殖は遺伝子が傷つく原因となり、そして遺伝子が変異することでがん発症へと関係します。現代の日本女性は、発育も体格もよくなりました。
早い初潮、遅い閉経など女性ホルモンの作用期間が長くなったことが乳がん発生のリスクを高めていると考えられています。家族歴などは遺伝性の危険を示唆しているものと思います。

乳がんの症状

初期は無症状です。痛みはほとんどありません。
しこりを自分で感じたり、乳房のくぼみ、皮膚のつっぱり、乳頭からの分泌物・出血で気づくことが多いようです。

乳がんの検査

しこりなど異常を感じられたら、医療機関を受診してください。しこりがあっても、乳がんであるとはかぎりません。乳腺症、良性腫瘍の場合があります。必ず検査してください。
当院は乳がんの検診はしていません。
理由はマンモグラフィー、乳房検査に適した超音波検査を持っていないからです。
こちらからすすんで乳房の触診をすることはありませんが、気になる場合はお申し出ください。触診はできます。また、病院での治療の継続は可能です。必要に応じて、検査の出来る施設(個人的にいい医師を数人知っています)にご紹介します。

設備の整った施設では、触診、レントゲン検査であるマンモグラフィー、超音波検査、MRI検査などが行われます。腫瘤が確認されたら、腫瘤の細胞の検査をします。
具体的には腫瘤に針を刺して細胞を採取。
顕微鏡で検査します。良悪性・腫瘍細胞のタイプなどがわかります。乳がんが確認されたら、転移の有無を調べます。
脳MRI,胸腹部CT、骨の検査などを行い、病期・進行度を判定します。

治療

腫瘍の大きさ、リンパ節転移の有無、遠隔転移の有無で治療法が異なります。
遠隔転移がなければ、手術が第一選択です。
私が外科の研修を始めたころ(もう30年以上前になります)、主流は乳房全部と腋のリンパ節と、大胸筋・小胸筋を
ひとまとめにして切除してしまう手術でした。
その後術後の成績があまり変わらないことがわかり、縮小・乳房温存術式へと変わっていきました。

乳房温存療法は乳房温存術と温存乳房への手術後の放射線照射をセットに行う治療法です。乳房温存が行われないとき、乳房切除術が選択されます。胸筋温存乳房切除術で乳房とリンパ節を切除して胸筋を残す手術方法です。
乳房再建術により乳房の形を作ることも可能です。
現在では乳房温存と乳房切除、現在では半々といったところだそうです。手術以外では放射線治療、ホルモン療法、抗がん剤治療が転移の有無を含めた病期、腫瘍細胞のホルモン感受性、遺伝子検査などを考慮して、個人個人に適した治療法が適用されます。

遺伝的乳がん

がん研有明病院・聖路加病院は、アンジェリーナ・ジョリーさんが受けられた乳がんを予防するための乳房の切除・再建手術の実施に向けた手続きを進めています。遺伝性乳がんに関する遺伝子「BRCA1」か「BRCA2」に変異が見つかり陽性だった人が対象。
これまでは検診の強化で対応していましたが、選択肢の一つとして予防切除をできる体制を整えることにしたものです。これらの遺伝子のいずれかに変異があると、50歳までに乳がんを発症する確率が33〜50%、70歳までの確率は56〜87%になるとの研究結果がある。
約20万〜23万円の検査費用と約70万〜100万円の切除費用は自己負担。
乳がん学会は「現在、遺伝性乳がん卵巣がんに関する検査及び、一連の医療行為(予防的な乳房切除術)は保険診療下で行うことはできません。
しかし、保険診療ではない、自由診療というかたちでならば、同疾患に対する遺伝カウンセリングの体制が整った施設でのみ、遺伝学的検査を行うことは可能です。」との声明を発表しました。
アンジェリーナ・ジョリーさんの件では私は遺伝子検査でそこまでわかる時代になったのか、というのと健康な体にメスを入れる決断を美を追求しているであろう女優が選択した・ことに対して驚きました。
今後の動向を見守りたいと思います。

自己検診

月に一度(閉経前の方は、生理が始まって7日目・閉経後の方は日を決めて)は自己検診を行ってください。
視診では鏡の前にで両腕の力をぬいて自然に下げたまま、左右の乳房の形や大きさに変化がないか、乳房のどこかに皮膚のへこみや、ひきつれがないか。乳首のへこみ、ただれができていないかを調べます。
次に両腕を上げた状態で、同じことを調べます。
触診:仰向けに寝て、乳房・腋の下のしこりの有無を調べます。
指の腹を使って乳房全体をくまなく触れてみましょう。
乳頭を中心に円を描くようにしてもよいし、肋骨に沿って横に指をずらしながら触れていってもよいでしょう。
指でつまむのではなく、ていねいにおさえるようにして行ってください。
乳首から異常な分泌物が出ないか左右の乳首を軽くつまんで、血液の混じった分泌物が出ないかどうかを確かめます。
自己検診を続け乳房の正常時の状態を知ることで、小さな異常やしこりに気づくようになります。
乳がんは早期に発見できれば、治る病気です。
自己検診を一カ月に一回。
年に一回は乳がん検診を受けましょう。

◆編集後記

夏季休暇のお知らせ

8月15日(木)〜18日(日)

夏季休暇を頂きます。

ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いします。
例年通り、今年も三重県熊野の花火を家族で見に行く予定です。