| コレステロールは高ければ動脈硬化を促進させるので、狭心症、脳梗塞といった血管の老化に関係する病気のリスクを高めるのですが、コレステロールは細胞膜の原料になったり、血管壁を丈夫に保ったり、性ホルモン、ステロイドホルモン、胆汁酸の成分になったりという大切な働きがあるために少なすぎてもいけません。最近コレステロールについていくつかの話題がでていましたので紹介します。 一般的にコレステロールが高いと言われたら1日300mg程度のコレステロール摂取を目標にしましょう。 卵、イカ、エビ、タラコなどはコレステロールが高いので食べ過ぎないよう、とされています。 では、高コレステロール食を食べた翌日の総コレステロールの値はいくらか? 答えは「変わらない」です。食事内容が高コレステロールでも、それを体内でうまく調整できるからです。コレステロール自体は食べ物ばかりでなく肝臓で7割が作られますので、短期間または1回で大量に高コレステロール食を食べても血液中の値は急激に上昇はしません。しかし高コレステロール食を続けると3日目からは上昇傾向を示します。 市販されている食用油の中で、「コレステロールが気になる方へ、コレステロールを下げる」という表示のある油があります。メーカーの実験では確かに総コレステロール値は下がっています。コレステロールを下げる油には植物ステロール(植物の細胞を作る材料)が入っていて、これが動物のコレステロールよりも吸収しやすいから数値が下がるとしていました。この植物ステロールは血液中に入っても結果的には全て排出されるそうです。しかし、食事内容・カロリーが変わらずに油だけを植物ステロ−ル入りのものに変えれば確かに下がるが、食べ過ぎてしまえば逆効果です。油を使った料理が増えると結果としてカロリーが過剰になってしまいます。 |
| コレステロール、実は「低いと危険」 富山大など17万人分析 富山大学の浜崎智仁教授、東海大学の大櫛陽一教授らは29日までに、血液中のコレステロールの濃度が低いと死亡率が高くなるという調査結果を発表した。過去に実施された疫学調査5件のデータを再検討。日本人の男女延べ約17万3500人を、今回の分析対象にした。一般にコレステロールは高いほど心筋梗塞などのリスクが高まると考えられているが、研究グループは「コレステロールが低くなると、がんや感染症などのリスクが高まる」と指摘している。 |
| 上記のような研究結果がでました。以前からも一番総死亡率が低いのはコレステロールが240〜280mg/dlの人たちであるという結果もでています。 どういうことなのか? 高コレステロールが原因で動脈硬化が進展し、心筋梗塞・脳梗塞になってしまう人は確かにいます。また一方でコレステロールが高いままでも何も起こらず天寿を全うされる方がいます。これは体質による、としか言いようがないです。結局は遺伝子レベルの話になると思います。この遺伝子とこの遺伝子の一部に特殊な変異があるので、あなたは動脈硬化から心筋梗塞・脳梗塞になりやすいです。積極的に薬を使って血圧コレステロールを下げます。運動して体重を落とさないと危険です。あるいはあなたは動脈硬化発症リスクに関係する遺伝子変異がないのでコレステロールは下げる必要は無いです。そういう話になってくるのだろうと思います。しかしこの遺伝子レベルの話ができるのは10年くらい先だろうと考えています。 それまではどうするか? 一度でも脳梗塞、心筋梗塞になったことのある人は積極的にコレステロールを薬物で下げた方がいいです。糖尿病の方も下げておく方がいいでしょう。高血圧、喫煙者、脳梗塞、心筋梗塞の家族歴のある人も要注意です。それ以外の方のひとつの目安としてLDL/HDLをご紹介します。 コレステロール管理の目安として、「悪玉」と呼ばれるLDLコレステロール値を「善玉」のHDLコレステロール値で割った数値が注目されています。 コレステロールは血液に含まれる脂質の一種。悪玉のLDLは体中の血管にコレステロールを運び、善玉のHDLは余分なコレステロールを回収する役目を担います。両者とも体内の細胞膜に欠かせないものですが、LDLの量に比べてHDLが少なすぎると、コレステロールの供給過剰を招きます。プラークと呼ばれる塊が血管に付着しやすくなり、動脈硬化の原因になります。動脈硬化予防には、悪玉のLDL値を下げるだけでなく、余剰分を回収してくれる善玉のHDL値を上げる必要があります。 手軽に危険度をチェックする目安として、「悪玉÷善玉」という数式。 この値が「2.5以上」なら要注意で、健康な人なら「2.0以下」、糖尿病や高血圧といった危険因子を持っている人は「1.5以下」を目指すよう呼びかけています。 指標の根拠は複数の研究データです。軽症狭心症患者約100人を対象に実施した国内の臨床研究では、「悪玉÷善玉」の値が「2.5以上」になると、血管内のプラーク占拠率が目立って高くなりました。この値が「2.0以下」になるとプラークの体積は縮小に向かい、「1.5以下」ではさらに小さくなりました。 当院でお渡しする検査結果の中にある動脈硬化指数は(総コレステロール−HDLコレステロール)÷HDLコレステロールですので、少し違います。LDLコレステロールは計算上、総コレステロールからHDLコレステロールと中性脂肪×0.2を引いた値です。 これも変えていただけるよう検査会社にも要望を出しておきます。 |